会社概要
天極堂について
“皆様に美味しい葛をお届けしたい”と、 伝統の「吉野晒し」の技法を守り続けています。 生かし生かされる、天の恵み極む。」
今後も絶える ことなく、皆様に安心していただける吉野本葛、 またその葛を使った商品 作りをしていきます。 これからも、一層努力して参りますので、 どうぞ末永くご愛顧いただきますよう宜しくお願いいたします。 |
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《社長の思い》 「くず」と聞いて、「葛」のことだとわかるひとが、どれだけいるのだろうか。ふと、そんなことを 考えることがある。 昔から、葛粉は良質のでんぷんで薬効もあり、滋養を摂り健康を維持するための精進料理 や普茶料理の食材として重宝されていた。病気の時、食欲のない時には葛湯を飲んだという 記憶のある人も、少なくないはずだ。そんな、あたり前の食材だった葛が、いつの間にか、 本当にいつの間にか、時代の変化とともに、普段の生活から少しずつ姿を消してしまった。 しかし、それをライフスタイルの変化で片付けてしまうには寂しすぎる。 そんな想いから、この本(*)の発行をきっかけに、もう一度様々な角度から葛粉の可能性を探っ てみた。何でも便利にできてしまう今の時代にこそ、日本の食のルーツを見直し、毎日、安心 できる自然のものを食べる幸せを思い出してほしい。そう願って…。 ライフスタイルが変わり、嗜好も、幸せの形も変わっていく中で、変わらないものは必ずある。 そのひとつが、「美味しいものを毎日いただく幸せ」だ。そんな毎日の幸せの演出に、葛粉が 役に立てばうれしいし、毎日の食事になくてはならない存在になれば、なお素晴らしいと思う。 この本で紹介しているレシピは、和・洋・中・エスニック・デザートと様々なジャンルに渡る。 いずれも簡単でありながらきちんと手をかけた料理ばかりで、私が想像していたよりも葛粉を 使った料理のバラエティは驚くほど多彩だった。 どれもが美味しいだけでなく、季節を感じながら健やかに楽しく暮らすための工夫が、メニュー からあふれている。葛が持つ「食材どうしの美味しさを包み込む力」、「食材の美味しさを引き出す 力」が存分にあらわれている。家庭では「なじみのないもの」として忘れられた存在になりかけて いた葛粉に「こんな力もあったのか」と、改めて誇らしい気持ちになり、まぶしく感じられる。 日本には昔から、こんなに素晴らしい食材があったのだと、もう一度思い出してほしいと願う。 天極堂は、社名の由来でもある「天の恵みを極める」の通り、ありのままの自然の恵みをいただく という営みを続けている。葛粉は、葛の根をつぶしてでんぷんを取り出し、何度も水にさらしながら あくと不純物を取り除いていく。葛根から葛粉をとるのは、そんなに簡単なことではないが、品質 を落とさないために、今でも昔と同じようにひとつひとつの工程を手作業で行っている。丁寧に、 丁寧に、手間ひまをかけて葛粉を作っていくから、生産量にも限りがある。こうして上質の葛粉 のみで仕上げる「吉野本葛」の伝統の味を守ってきた。素材が天然だから、決して人間の都合の いいようにはいかない。でも、その自然の豊かさも厳しさもあるがままに受け入れ、共生していく ことで、本来の恵みがもたらされるはずだと信じている。 次の時代にごまかしのない、本当にいいものをきちんと残していくためにも、作り手である自分たちが 真正直にならなければいけない。だからこそ、私たちはこの仕事を誇りに思うし、なによりも「日本の 食のルーツ」の一端を担っているのだから、途絶えさせるわけにはいかないと、自負している。 天極堂に勤める社員一人ひとりにも、そんな誇りを持ってほしいし、誇れる会社でなくてはと心から 思う。この会社を、皆が幸せになるための舞台にしてほしい。そう、主役は常に自分だと思ってほしい。 この舞台で自分が精一杯輝くために、一生懸命になってほしい。どんなキャラクターをどう演じるのか は自分次第だ。しかし、きっちりと演じるためには基礎練習が必要だし、監督の意志をきちんと汲んで 表現しなくてはならない。商品を磨き、サービスを磨き、表現力を磨き、それが自分磨きとなって生き がいとなるなら、これ以上のことはない。 そうして、天極堂という舞台を一緒に創り上げるような気持ちで、思う存分できることをやれれば幸せに なるだろうし、そうした幸せがあたり前のように根付く天極堂から生まれる製品は、きっと手にした人も 幸せにできるはずだと信じている。私は、舞台にできるだけたくさんの観客を呼べるように、賞賛の声 がもらえるように、常に演者たちを万全な体制でサポートしていくだけだ。 余談ではあるが、天極堂の本社の最寄り駅の名前は、なんと「葛駅」である。吉野へ向かう山間、 昔の日本の風情を残した静かな土地に、創業以来本社、工場を構えている。昔は、辺り一面が葛 の葉で埋め尽くされた「葛の里」であったが、今ではその面影も残ってはいない。 しかし、天極堂はこの地で、吉野本葛を作り続ける。次の世代にも葛の美味しさを伝えていくために。 未来に向いながらもなお、変わらず真面目であり続けることで、自然にも、支えてきた人々にも恩返し ができるように思える。 ぜひもっとたくさんの方に、この吉野の地で作る吉野本葛を食べてもらいたい。からだにも自然にも 優しい葛粉の、人を癒し、幸せにする力を知ってもらいたい。健やかに、ていねいに美しく暮らす。 そんな粛々とした想いが、天極堂の葛粉とともにあたたかく脈打っていくことができれば、こんなに 幸せなことはない。 今の時代にこそ、葛があたり前のように毎日の食卓に並ぶ日が来ることを願ってやまない。「日本の 食のルーツを支えている」そんな想いとともに、天極堂はこれからも葛のように強く成長していかなく てはならないのだから。 | |
2009年4月 株式会社 井上天極堂 代表取締役 井ノ上 昇吾 | ![]() |
≪本社工場概要≫ | |
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≪橿原工場概要≫ ![]() | |
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<井上天極堂の歴史>
年度 | 事項 | |
1854 | 12 | 井ノ上羽衛門、吉野葛の集荷仲買を始める |
1870 | 1 | 井ノ上清吉、吉野晒にて吉野本葛の製造を始める |
1905 | 4 | 井ノ上栄造,井上栄商店設立 |
1945 | 6 | 井ノ上栄次郎3代目店主となる |
1950 | 9 | 井ノ上昇4代目店主となる |
1960 | 3 | 製菓原料の取り扱いを始める |
1968 | 10 | 韓国よりサンキラ葉、柏葉の輸入生産を始める |
1972 | 4 | 敷地3000坪の新工場完成、 |
1982 | 5 | 冷凍野菜ペーストの製造を始める |
1984 | 9 | 中国河南省土産公司と技術提携し、 |
1987 | 4 | 資本金1,000万円で、株式会社井上天極堂設立 |
1989 | 11 | 代表取締役に井上昇吾就任 |
1990 | 3 | 品質管理・研究開発室の新設 |
1991 | 2 | 東京都品川区に東京営業所を開設 |
1993 | 1 | 中国河南省に合併会社(河南宏富士特産品有限公司)を設立 |
1996 | 11 | 「天極堂奈良本店」を開店 |
1999 | 2 | 急速冷凍機導入・葛きり製造ライン新設 |
2001 | 5 | 倉庫に電動式移動棚を設置 |
2001 | 8 | ISO9001:2000を取得 |
2005 | 2 | 静岡県三島市に関連会社イースタンフーズ㈱設立 |
2005 | 3 | なら町に「一福茶屋」を開店 |
2005 | 10 | 粉末芋加工室を新設 |
2007 | 3 | 粉末よもぎ加工室を新設 |
2008 | 10 | 近鉄奈良駅構内に「近鉄奈良駅店」を開店 |
2008 | 11 | イオンモール橿原アルル内に「カフェ・クデュウー」を開店 |
2009 | 3 | 橿原市忌部町に橿原工場を新設 |
2009 | 4 | 橿原工場前に「橿原店」を開店 |