葛湯(くずゆ)とは
吉野本葛の製造工程
吉野本葛の製造は冬に行います。
葛が枯れ始めたら、根の掘り取り時期に入ったということです。12月になってからということが多いのですが、時期になれば山に入って葛の根を掘り出します。
掘り出した葛の根を粉砕機に入れ、細かく砕きます。
固い葛の根も、粉砕機に入れると繊維状にほぐれます。
繊維にからまるようにデンプンの白い粒が見えます。
砕いた葛の根は、水の中でデンプンをもみ出します。
昔から2層式洗濯機を使っています。
洗濯漕で洗い、脱水で排水された汁の中には葛のデンプンが含まれています。
抹茶色の汁のどこに葛が!?と思いますが、1日たって上水を捨てると、桶の底には純白の吉野本葛が眠っています。
風邪を治すならこの茶色い汁を飲むと良いかもしれません。
この茶色い葛の晒し液は、イソフラボンがたっぷり。
その代り、苦みもえぐみもたっぷりです。
「良薬口に苦し」とはよく言ったものですよね。
吉野本葛で作った甘い葛もちに苦みとえぐみがあってはたまりません。
一晩沈澱させて茶色い液(上澄み)を捨てると、下に白い澱粉が溜まっています。
ここまでは堀子(農家)さんのお仕事です。
このようにして作ってくださったものは「粗葛」と呼ばれ、まだあくがたくさん残っています。
天極堂はこの状態(粗葛)で買い取らせていただくのです。
それから、天極堂の工場内にある撹拌層を使って撹拌と沈澱、水の入れ替えを繰り返して「吉野晒」の製法で研ぎ挙げていきます。
あれほど大きな葛の根ですが、純白の吉野本葛になるのは、わずか1割。
大切に大切に、ゆっくりと味わっていただけるとうれしいです。
天極堂の葛湯には、葛の堀子さんや葛の匠が真心こめて作り上げた吉野本葛が使われています。
- 2018.10.01
- 13:32
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